2016年1月4日月曜日

アニメ制作会社XEBEC(ジーベック)の初任給給与明細が流出したらしい

アニメ制作会社ジーベックの給与明細が流出! 衝撃の金額に驚きの声が挙がる・・・
テレビアニメ『蒼穹のファフナー』『To LOVEる —とらぶる— ダークネス』『這いよれ!ニャル子さん』などを手がけるアニメ制作会社XEBEC(ジーベック)の初任給給与明細がとあるネットユーザーによって公開され、その金額(基本給:130,000円)に驚きの声が挙がっています。
投稿者によると
・「使用期間3か月は社保非加入」
・「24時間働き放題」
・「交通費と基本給のみ」
・「月末に適当にタイムカードを手書きで記入させる」
という賃金条件だったそうで、アニメ制作現場で働く方の過酷な状況が改めて浮き彫りになりました。
振り込み支給額が131,330円とのことで、元記事では驚きの声って書いてあるけど、正直個人的には
そんなもんだろって感じで、全く驚きはなかったな。じゃあ他のアニメ制作会社の給与もちょっと
見てみる?

まずはSHIROBAKOで有名なP.A.WORKSの給与はこんな感じね。
P.A.WORKS「会社説明Q&A ・・・・・応募者の質問から」
Q     採用時の雇用形態は?    
A     嘱託。出来高制です。動画単価は作品によって違います。P.A.WORKSが    
    外注として受けた動画は、基本的にそのままの単価で支払われます。    
    テレビシリーズの動画単価は1枚220円~240円くらいでしょう。
Q     動画1枚に何分かけられるのですか?   
A     カットによって全く違います。一人前のアニメーターが平均的なテレビシリーズの
      動画をやる場合は1枚20分前後だと思います。それで月500枚ですね。
ということで、アニメーターは絵と絵の間を繋ぐ動画を描く仕事からキャリアがスタートするのは
ご存じの人も多いと思うけど、1枚220円~240円の動画単価で、1人前の動画アニメーターで
月500枚ということなので、11万円~12万円というのがP.A.WORKSの動画さんの給与相場という
ことになる。

これを先に見て知っていたから、世間一般からしたら安くても、アニメーターの相場としてはそんな
もんだろって思ったんだよ。

ちなみにXEBECやP.A.WORKSは元請け作品があるからまだ良い方で、これが下請け作品を
手掛ける中村プロダクションの事例だとどうなってしまうかというと、
下請けアニメーターなんだがもういろいろ限界を迎えている
上記スレを立てた人によると、動画1枚120円で、毎日10時から22時まで、土曜も出勤して
月600~700枚上げても給料は月7~8万にしかならないということだから、さらに劣悪だね。
なんせ元請けの約半額の動画単価だからね。


では、業界トップクラスのアニメーション制作会社であるスタジオジブリだとどうなのかというと、
下記、求人を出していた時の記載の通り、固定給で16万7000円とのこと。
出来高制ではなく、固定給という時点でジブリは恵まれているのよ。

もう一つ、エヴァで有名なスタジオカラーの給与情報も載せておくか。ここは待遇がトップクラス
ということで有名。
採用情報 | 株式会社カラー
募集人数     若干名
契約形態     契約社員(研修期間2ヶ月)
勤務地     東京都杉並区 JR西荻窪駅付近
給与     固定給制月給18万円以上(経験者応談)
待遇/福利厚生     通勤交通費(上限あり)
応募資格    
    中途採用、新卒、男女どちらでも可。
    経験者優遇
    普通自動車免許
ということで、なんとアニメーターの初任給としては破格の固定給で18万円!でも、大ヒット映画を
生み出すトップクラスのアニメーション制作会社でも、あのブラック企業として有名なワタミの
初任給よりも低いのよ。ちなみにワタミの初任給は、基本給16万+みなし残業3万の計19万ね。

トップクラスの企業ですらこれなわけだから、アニメーターの給与水準がどれだけ低いかがわかるね。
ただ、これらを踏まえると、業界内では別にXEBECが特別安いわけではないこともわかるはず。
こうして見ていくと、もはや特定一企業の問題ではなくて、業界全体の問題ということにも気が付くんじゃ
ないかな。